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飯嶋 敏哲
放射線科学, 22(8), p.151 - 157, 1979/00
現在原子力の主役となっている軽水炉1基が環境中へ放出するトリチウムの量は,加圧水型炉(PWR)で年間10~10 Ci(1),沸騰水型炉(BWR)で年間10~10Ci(2)と報告されている。わが国には約30基の軽水炉が稼動中であるから、国全体では年間約210Ciのトリチウムが環境中へ放出されるという計算になる。Burger(3)はいろいろのタイプの原子炉が生成するトリチウムの量を表1のようにまとめているが、これによるとPWRでは放出量の約10倍,BWRでは約100倍のトリチウムが炉内に残っている。Rohwer等のレポート(4)には,軽水炉のトリチウム年間生成量が西暦2000年頃には1.510Ciに達することが紹介されている。炉内に残存するこれらトリチウムは燃料再処理施設に送られ,回収処理が特別に行わなければ環境中へ放出される。Rohwer等の紹介では,ウラン年間処理能力1500 metric tons規模の再処理施設から放出されるトリチウムは約5.810Ci/yである。